2015年01月27日 (火) 千葉工業大学准教授 越智敏之 今日はみなさんに、魚と西洋史の関係についてお話しさせていただきます。 「魚と西洋史の関係」と聞くとピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際にはキリスト教徒は、意外なほどに魚を食べていたのです。キリスト教には断食日があります。断食日自体は教会初期の時代から風習としてあったのですが、一年を通じての断食日の日数や、断食日に食べることが許された食品の種類は、時代を通して変化していきました。もともとの断食の目的は、食欲という直接的な快楽に打ち勝つことで肉体を克服し、そのなかでも性欲の源と考えられていた肉を断つことで、性欲を抑えることにあります。ですからなによりも肉食を断つことが重要だったのですが、カトリック教会では時が経つにつれて、断食日には魚を食べることが許されるようになりました。そしてやがてはむしろ、積極的に魚を
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