今回のCESで、テレビの話題は2つに集約できる。AndroidやFirefox OSなどの“モダンOS”の採用拡大と、量子ドット技術やHDRなどの“色表現拡張”の導入だ。これらはある意味、テレビに求められる要素の両輪であり、同時に実現することで、テレビの価値は大きく変わる。 後者は、要は画質向上であり、テレビにとって本道といえる変化だ。デジタル化もハイビジョン導入も4Kも、もっといえば1970年代のカラー化だって、この路線である。しかし、モダンOS導入は位置付けがちょっと異なる。狙いが複数あるからだ。 ●笛吹けど踊らなかった“スマートテレビ”時代 2005年くらいから、テレビの世界には画質以外の大きな波がやってきていた。映像が放送という“電波”でやってくるものから、“ネットも供給源である”という時代がはっきりしてきたのだ。 そもそもアメリカやインドではケーブルテレビが強く、特にアメリカは有