安倍晋三首相は二十八日、東日本大震災で被災した福島県を訪れた。二〇一二年十二月の第二次安倍政権発足以来、原則として月一回のペースで被災地を視察するが、地元には「復興が進んでない場所こそ見てほしい」との声もある。 「復興が進んでいると感じられるよう力を尽くしたい。これからは住まいやなりわい、体や心のケアにも力を入れたい」。首相はこの日訪れた郡山市内の復興公営住宅で、住民らにこう語りかけた。 昨年十二月に完成した五十戸の集合住宅は、東京電力福島第一原発がある大熊町出身者が中心。住民からは「楽しく暮らしたい」との声が出た一方、「どこに住もうか決められない人もいる。私たちは中途半端な状態」と語る女性もいた。