ウイルスに汚染されたイノシシやシカの肉などを摂取して急性肝炎を起こすE型肝炎の患者報告数が、昨年を上回るペースで増えている。国立感染症研究所がまとめた今年の患者報告数は、昨年同期の1.3倍を記録。患者が大幅に増えた札幌市は「感染の予防には、現状で使用可能なワクチンがない状況にあるため、手洗いの励行と飲食物の十分な加熱が大切」と注意を呼び掛けている。【新井哉】 【関連記事】 インフル集団発生、病院や施設でどう対処?(2015/01/13) 「抜本改善」突き付けられた感染症調査事業(2014/07/11) 訪問看護や介護事業者、結核患者に服薬指導(2015/03/12) E型肝炎はウイルス性の急性肝炎で、ウイルスに汚染された食物や水を摂取することで感染。15―50日の潜伏期間の後、腹痛や食欲不振といった消化器症状を伴う急性肝炎を発症する。野生のイノシシやシカ、加熱が不十分な肉が感染源と疑われ