上質な素材感と高い意匠性を謳う、塩化ビニール製の化粧フィルム「3M ダイノックフィルム」。耐久性とメンテナンス性に優れる同製品は、1960年代に発売されて以来、半世紀以上にわたって、建築やインテリアの現場で支持されている。 身近な空間に広く普及しているため、毎日のように目にしていながら、表立って脚光を浴びることのない建築部材。その背景にはデザインへのヒントが溢れている。 3月の新柄発表を機に、スリーエム ジャパンの谷岡 哲コンストラクションマーケット事業部長と黒崎真由デザイナーのふたりに話を聞いた。 ▲ スリーエム ジャパン コンストラクションマーケット事業部 事業部長 谷岡 哲氏 ーーダイノックフィルムは新柄157点を追加して、全928柄のラインアップになりましたが、開発期間はどれくらいでしたか。 前回の新柄の発表が2014年3月なので、ちょうど2年です。これまでは3年ほどの周期でしたか