キングギドラの「スタア誕生」を初めて聴いた時の衝撃を今でも鮮明に覚えている。 ジャパニーズラップの様式が確立される以前、日本語でラップする事それ自体がまだ挑戦であり、ラッパー達が「韻を踏む」ことすらままならなかった時代、渋谷生まれの各務貢太が韻と韻で鮮やかに紡ぎ出してみせたその叙情的な物語は、「日本語でもこんなラップができるんだ」という新鮮な驚きとともに、シーンに強烈な一石を投じた。 ストーリーテラー、時に賞賛の意を込め、時に揶揄の意を込め口ずさまれるその称号は、耳障りのよい言葉を羅列しただけのリリックを排し、シニフィアンの遊戯の域を逸していなかった日本語ラップを、それ以上のものに引き上げた功績の証。“渋谷のドン”の異名は誇張じゃない。いや、ジャパニーズヒップホップのドンと言っても差し支えないだろう。 韻を踏む思想家、Kダブシャイン a.k.a ビッグコッタ が初めて語る性愛論。氏いわく「