寒い冬の夜。友人宅にて。 複数の「◯◯鍋の素」をぶっ込んだ闇鍋は、思いのほか美味でござった。古今東西、様々なダシが絡み合い、新たな異文化交流が誕生していた。そう、これは食のシルクロード。僕らは、NABEの新境地を開拓したのである。さすがは、EBARA。 シメの雑炊も食べ終わり、こたつを囲む友人たちの視線は、テレビに注がれている。某大企業重役の息子たる彼の部屋のテレビは、とんでもなく美麗だ。 これが、“ふるはいびじよん”というものだろうか。サイズもお値段も分からないが、とにかくすげえ。語彙が貧相になる程度にはすげえ。ぱねえ。 200年も前の人間が見れば、「しょ、障子の中に人がいるでござる!あにゃー!」と叫びそうなハイカラ画面に映っているのは、老若男女の芸人たち。よくあるバラエティ番組だろう。 これだけいれば知っている人もいるけれど、時世に詳しくない僕は呆けておる。……ち、ちがうのだ。この頬に