「最大の理由は名演奏の副産物ではない、彼が音楽活動の中心として行った録音物という作品に、手軽にアクセスできる点ではないでしょうか」。そう答えてくれたのは、グールドとはまた違った形でオリジナルなサウンドスケープを描き出す音楽家・原摩利彦。ここでは、彼なりのグールド観をさまざまな角度から語ってもらった。 「グールドって難しくて、迂闊に好きって言っちゃうと余計なものがいろいろ付いてくるんですよ、スノッブとかオシャレとかね」 グールドは好きですかという直球の質問に、原摩利彦はおかしそうに、でもちょっと困ったような顔で答えた。たしかにグールドという記号はある時期イケメン男子のアクセサリーのようだったし、一般名詞化した「グールド好き」は原のような音楽家ならなおのこと、口にしづらいに違いない。それでも原は言う。 「でもそんなん考えること自体がアホらしいことで、今回グールドの作品を聴き直す機会を与えてもら
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