福岡県中間市で指定暴力団工藤会(北九州市)傘下の組幹部が射殺された事件で、福岡地裁小倉支部は10日、殺人罪などで起訴された別の組幹部と組員について裁判員裁判から除外することを決め、裁判官のみで審理すると発表した。最高裁によると、除外決定は全国初とみられる。 今回の事件では、検察側が証人として出廷を求める予定だった人物が、工藤会幹部から接触を受けた後に出廷を拒否する意向を示すなどしたため、福岡地検小倉支部が除外を求めていた。地裁支部は「組織的犯行の有無が主な争点だが、すでに裁判妨害が始まっていることがうかがわれる」と指摘。「裁判員候補者や裁判員に加害行為に及ぶおそれがある」と認定した。 被告の弁護人の一人も「除外規定に該当する内容の事件だった。決定に従う」と話している。