1976年の創業以来34期連続の増収増益ながら、非上場を貫き、警備員以外は皆正社員で、離職率はわずか数パーセント。そんな米国企業らしからぬソフトウエア企業が米東南部のノースカロライナ州に存在する。「フォーチュン」誌が毎年発表する「最も働きがいのある会社ベスト100」の2010年版でグーグルなど並み居る強豪を退けて1位となったSASインスティチュートがそれだ。手本となる企業もなければ、ウォール街に耳を傾ける必要もないと断言するジム・グッドナイトCEOに、そのユニークな経営論を聞いた。 (聞き手/ジャーナリスト、瀧口範子) ジム・グッドナイト(Jim Goodnight) 1976年に米ノースカロライナ州立大学の仲間らともに、統計解析ソフトウェア開発企業SASインスティチュートを設立。従業員1万人超、売上高23億ドル強(2009年度)の大企業に育て上げた。2004年にはハーバードビジネススクー