いちばん怖い本はこれだ。 もちろん人による、何を怖がるかは。幽霊が怖い人もいれば、借金を恐れる人もいる。だが、まんじゅう怖いならお茶も怖がるように、恐怖には傾向がある。血か魂か、怨か愛か、超常か日常か、怖さの方向を吟味した、ガチ・ホラー・ベストはこれだ。 同時に、スゴ本オフ@ホラーで出てきた、さまざまな人にとってのベストホラーも一緒に紹介しよう。何を怖がるかは人によるため、怖さの方向が、その人の「ひととなり」を表してくれる。 ジャンルも世界も表現も種々雑多、まずはこれらをごろうじろ。 わたしの場合、異形を内面に認めたときが、いちばん「怖い」と感じる。子どもの頃から、異物が怖かった。なじみのないもの、知識がないもの、対処の経験がないもの、どう対応してよいか、分からないものを恐れた。これは、異質なものを排除しようとする本能が働いていたのだろう。悪霊や妖怪やゾンビを恐れたのは、そこからきている。