出版社のつけた「幸運の法則」なんて帯がこの本の価値を貶めているように感じました。 ギャンブルと株について、数学者がどうアプローチしたかについて丹念に取材した本です。 数学者の考え方を難しい式を使わず、いいたとえ話とグラフで見事に説明してくれています。 出てくる人は情報理論の基礎を築いたシャノン、記録的な投資信託を作り上げたソープなど有名人がたくさん出てきます。彼らがギャンブルについてどう考察し理論を作り、かつ、行動したか。そんなことをやっていたことすら知ってる人は、ほとんどいないと思います。見方をかえると、アメリカの金融工学の元ネタの歴史のような本です。 また、賭け方の究極「ケリー基準」について知っておくことは投資を志す人なら損にはならないと思います。私も知りませんでしたが、投資活動とケリー基準についてガルブレイスを始めとし、多くの学者がいろんな考え方をしているのです。 数式がないとはいえ