【ニューヨーク=金子靖志】国連開発計画(UNDP)は9日、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザについて、全人口の96%が栄養面や衛生面など「多次元の貧困」に陥ったと発表した。交戦が年末まで続けば、16~19年間かけてガザで開発・整備したインフラ(社会基盤)や教育機能が失われ、パレスチナ全体の経済損失は25億ドル(約3800億円)に上ると試算した。 UNDPが同日公表したガザの被害状況などに関する報告書によると、イスラエルの攻撃で約5割のガザの家屋が倒壊・損壊し、避難民は全人口の約7割に当たる約150万人に上った。