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2011年6月13日のブックマーク (1件)

  • 『北斎漫画(1、2、3巻)』 葛飾北斎著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    読書といえばは文字で出来ている。ゆえに読むとは文字を見て意味を解く、という三段論法は、江戸時代の日では通用しない。 草双紙(くさぞうし)という文字と挿絵が五分五分の計算で成り立っている小説もあれば、絵という、文字をぐっと抑えた書物も堂々と「読まれて」いた。絵を愉(たの)しく鑑賞する人もいれば、絵そのものを学びたい人も、北斎のいう「画に師なし」を地でいくように一冊を参考にしながら絵の腕を磨き上げていった。師匠がいなくても自分で学べる、という自律的な学びを支援する書物が流行(はや)るのは、江戸時代も後期である。 よくマンガの走りと言われるが『北斎漫画』の「漫画」とはそぞろに描くという意味で、一直線に物語を運ぶマンガとは違う。とは言え、達磨(だるま)が修行の合間に顔で遊ぶお茶目な図など、コマ割り漫画を予想させるような画面構成になっている。田舎親父の寄り合い風情、疲れた母親の昼寝顔、風に