一度は絶版になりながらファンの後押しで復刻されたマンガを集めた「渋谷サブカル書店」が、東京・渋谷の渋谷パルコパート1にオープンした。ネット上で復刻の要望を募る出版社、復刊ドットコムが初めて開いた「リアル書店」だ。 店内には「のらくろ喫茶店」(田河水泡作)、「サイボーグ009」(石ノ森章太郎作)など約300タイトルが並ぶ。9月刊行開始の「ブラック・ジャック大全集」(手塚治虫作)は、「週刊少年チャンピオン」連載当時のB5判サイズを初めて再現した単行本だ。 復刊ドットコムはサイト上で100票以上の要望が集まった本について、版元と交渉して約5千点を復刊した。復刊が困難な場合は自社が新たな版元となり約800点を復刻、ネットなどで販売してきた。 リアル書店について、同社の岩本利明・営業部マネージャーは「ネットでは、はじめから欲しかった本をピンポイントで購入する。知らなかった復刻本と出会ってもらえるのは
中短編でキャリアを始める作家が多い国内で、新人の650枚もの長編小説が文芸誌に一挙掲載されたのは、ちょっとした事件だった。海外の文芸作品を紹介する「新潮クレスト・ブックス」創刊に携わり、雑誌「考える人」と「芸術新潮」の編集長を務めた松家仁之さん(53)のデビュー作『火山のふもとで』(新潮社)。老建築家のもとで設計を志す青年の姿を、ゆったりとした時間の中に描いた長編について、松家さんに聞いた。 「実は中学生のころになりたかった職業が建築家なんですよ」。昭和39年の東京五輪では急ピッチの工事で街が塗り替えられるのを目の当たりにし、45年の大阪万博では日本人建築家の活躍を知った。少年のころの憧れを胸に、10年ほど前から構想を温めてきたという。 「土地や予算、期間が決まっていてさまざまな(法的)規制もある。非常に社会性がついて回る仕事なのに芸術性も求められる。制約を受けつつ、自分が出したいものを実
今年芥川賞を受賞した鹿島田真希さんの『冥土めぐり』、話題作となっている水村美苗さんの『母の遺産――新聞小説』や赤坂真理さんの『東京プリズン』など、「娘を抑圧する母」を描いた小説が最近目立っている。娘たちが母への愛憎をつづる背景には何があるのだろうか。(文化部 金巻有美) 『冥土めぐり』の30代の娘は過去の栄光にしがみつく母親に抑圧され、心が死んだような状態だ。明治から連なる祖母・母・娘の愛憎を描いた『母の遺産――新聞小説』の50代の主人公は、祖母、母、自分へと積み重なった愛憎の中で介護に追われ、<ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?>という思いが頭をよぎる。『東京プリズン』では、娘は敗戦後の占領期に隠された母の秘密を背負わされ、米国に留学させられる。 作中の娘たちには、多かれ少なかれ作家自身が投影されているようだ。「娘」はなぜ母との確執を描くようになったのだろうか。 これまで、文学
最近、電子書籍に関するあちこちの記事で、うちは違うなと思ったことがいくつかあったので、それと絡めてとりあえず考えたことを書いておく。 ひとつは、経理が面倒だから消極的だというどなたかのブログ記事で、電子だろうが紙だろうが、経理が面倒とは思わない。そう思う人もいるかもしれないが、紙の書籍のケースと比べても他業種の経理と比べても、面倒なことはないと思う。 もし面倒なのであれば、それは契約の仕方が悪い。短い間に書店が誕生したり、著者との関係や権利に関する議論が続いたりで、「他はそうなのか」と学んだことは多いが、だからといって個別に対応できないわけではない。規模が大きいと各々新規に契約するのが大変と言う人もいるが、規模が大きいなら専門に片付けるリソースを確保する余裕も作れるはずで、それこそスケールメリットではないかと思う。そもそも、なんで電子書籍になったとたん、印税支払を月々にするのかわからない。
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