■年間7万6000点もの書籍が発行される昨今、多くの図書館には毎週平均約1400点の書籍が掲載された選書カタログ「週刊新刊全点案内」が届けられている。この膨大な数の新刊の中から図書館で司書が選ぶ書籍は、どのような経路を経て、普段目にする“図書”に装備されて図書館に入荷するのか。それを探るために、図書館流通センター(TRC)の取引先・公共図書館に納品される書籍の8割を装備・出荷しているTRCの物流拠点・新座ブックナリーを訪問した。大量に納品される図書の入荷・検品、在庫から図書館用図書として装備・出荷されるまでの一連の流れを、TRCの物流管理部を管掌する関口弘氏と松本百充部長に解説してもらった。 ■在庫と装備を一体化 まずはTRCがどのような体制で図書館向けの書籍を在庫しているのか、倉庫の概要をみてみたい。JR武蔵野線新座駅(埼玉県新座市)から約1キロ離れた場所に、TRCの物流の心臓部にあたる