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ブックマーク / ddnavi.com (5)

  • 戦時中のビルマで惨殺された将校―犯人は村人か部下か? 戦争ミステリの傑作『いくさの底』 | ダ・ヴィンチWeb

    そうです。賀川少尉を殺したのは私です。 もちろんあなたの倫理観においては許されることではないでしょう。ですが少しだけ立場を逆にして考えてみてください。二度と訪れない好機が巡ってきて、それでも行動を起こさずにいられるものでしょうか。 戦争ミステリ『いくさの底』(古処誠二/KADOKAWA)は衝撃的なモノローグから幕を開ける。台詞の主が誰かは最後まで分からない。ただし、人間の倫理観を揺さぶる問いかけは、一筋縄ではいかない作の展開を示唆している。読者は戦時中のビルマで起こる事件を通して、善悪について考えさせられるだろう。 作の舞台は第二次世界大戦中期、ビルマである。青年将校の賀川少尉が率いる一隊は山奥の村に警備兵として派遣された。当時のビルマは日軍の戡定後であり、一隊は中国軍の脅威から村を守る役目があった。しかし、決して一隊は友好的に迎え入れられてはいないと通訳の依井は悟る。村長こそ「賀川

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  • 村上春樹さんは2時間のトークイベントで何を語ったのか?【WEBメディア単独取材ロングver.】 | ダ・ヴィンチWeb

    4月27日、新宿サザンシアターにて村上春樹さん13年ぶりとなるトークイベントが開催された。長編新作『騎士団長殺し』の発売から約2ケ月が経ち、村上さんはどんな面持ちで何を語るのか。460人の定員に対し応募倍率15倍という競争率の中、幸運にもチケットを手にした春樹ファンたちが会場に集まった。 19時、いよいよ村上さんの登場だ。洒落たピンクのパンツにTシャツ、その上にシャツを羽織ったラフなスタイルでその姿を現した。会場は待っていましたと言わんばかりの拍手と高揚した空気に包まれた。 「こんばんは、村上春樹です。龍じゃないほうの村上です」 という村上さんの第一声から、温かな雰囲気の中、トークイベントは始まった。 “世界の春樹”ともなると、講演の依頼も多い。だが、「文章を書くことを生業にしているので人前には出ない」というスタンスを貫く村上さんは、「最近は人間が丸くなったのか、たまにはこういうことをする

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  • 明治の終わり、沖縄出身の「幻の女流作家」が、本名を捨てなければならなかった理由とは? | ダ・ヴィンチWeb

    『ツタよ、ツタ』(大島真寿美/実業之日社) 作は1932年『婦人公論』に「滅びゆく琉球女の手記」を書いた、久志芙沙子(くしふさこ)氏という実在の人物をモチーフにしたフィクションである。 この小説の主人公は明治の終わりに沖縄に生まれた「ツタ」。ツタは「作家として立つ」ために、「千紗子」という自ら考えたペンネームで暮らし始める。そして、「ツタ」の名を捨て、一生涯「千紗子」であり続けた。女学校からの無二の親友・キヨ子に笑われても、「書くこと」をやめてしまっても。 どうしてなのか。著『ツタよ、ツタ』(大島真寿美/実業之日社)を読んでいる間、私はずっとこのことが気になっていた。そして、読み終わって、ツタが名前とともに捨てざるをえなかったものが二つあることに気付いた。逆に、その二つを諦めるために、ツタという名前を捨てたともいえるのではないだろうか。 そのひとつが故郷、沖縄である。沖縄出身という

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    bookseller56
    bookseller56 2016/12/11
    大島真寿美『ツタよ、ツタ』(実業之日本社)
  • 【第4回】リアル書店は生き残りのためにどんな戦略を描いている?  ―国内最大級の紀伊國屋書店に聞いてみた | ダ・ヴィンチWeb

    紀伊國屋書店の電子書店「Kinoppy」のPCサイト(http://k-kinoppy.jp/) 紀伊國屋書店の電子書店「Kinoppy」は他と何が異なるのか? ――Kindle版以前からサービスが開始され、高い評価を目にすることの多い「Kinoppy」ですが、まずはその概要について教えてください。 宇田川: 2010年末にPC向けにサービスを開始し、11年5月にAndroid、翌月にはiOSにも対応しました。現在、電子書籍事業で提携関係にあるソニーのReaderからも同じ年の10月から「Kinoppy」の利用が可能になっています。実はそれ以前からも学術書の電子販売は手がけており、米国の動向はその頃から把握していました。 「Kinoppy」の現在のタイトル数は約9万点ですが、コミックではなく、ビジネス書や純文学といった文字ものの売上げ比率が高くなっています。その結果、従来のいわゆるガラ

    【第4回】リアル書店は生き残りのためにどんな戦略を描いている?  ―国内最大級の紀伊國屋書店に聞いてみた | ダ・ヴィンチWeb
  • 今月のプラチナ本 2013年6月号『重版出来(じゅうはんしゅったい)』 松田奈緒子 | ダ・ヴィンチWeb

    不条理を乗り越える仕事 読むと涙ぐんで、燃えて、元気になる。このマンガ、面白い! そんな単純で率直な感想が、胸に残った。だがもちろん、マンガを生み出し、世に知らしめ、売っていく過程は単純ではない。作家、編集、営業、経営陣、すべての力が有機的に組み合わさり、それぞれに知恵をしぼり行動を起こして、はじめてひとつの傑作が世間に広まっていく(傑作を作るだけでも大変なのに、それを広めるためには、さらに大きなハードルを越えなければならない)。作が絵空事のサクセス・ストーリーになっていないのは、努力を重ねて重版出来に至る物語のあちこちに、そう出来なかった者たちの影がちりばめられているからだ。努力を放棄した者、努力してもたどりつけなかった者。社長が語る“運”が、あらゆる仕事にからみついていて、真面目に努力するだけではかなわないのだ。仕事の、さらに言えばこの世の不条理をしっかり踏まえたうえで、作は前に進

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