厚生労働省の各地方厚生局麻薬取締部が全国で押収した乾燥大麻について、幻覚作用のある化学成分の平均含有率を調べたところ、約40年前の野生大麻の約11倍に増えていることがわかった。 関係機関は「以前よりもさらに危険性が増しており、呼吸困難やパニック、精神障害を引き起こす恐れがある」と注意を呼びかけている。 厚労省が調べたのは、テトラヒドロカンナビノール(THC)という化学成分。全国の麻薬取締部が押収し、2010年度に刑事裁判を終えた事件の乾燥大麻6376袋(286・6キロ)のうち、押収から長時間たっておらず、含有率が正確に出やすい335袋を調査したところ、THCの平均含有率は11・2%だった。 一方、旧厚生省時代の1970年、当時、吸引に使われていた野生や衣服繊維用の大麻草を対象にした調査では、平均含有率は約1%だった。