第32回 カギを握っているのは熱を発生させるタンパク質 2016/8/10 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社) “筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、前回に引き続き、カラダの中で熱を生み出す仕組みを見ていきます。筋肉や脂肪組織が熱を出すのに関わっているのがUCPというタンパク質。近年の研究により、UCPの活性の違いにより「太りやすい体質かどうか」などがわかるようになってきました。 運動をしなくても熱を発生させるタンパク質 褐色脂肪組織や筋肉が熱を出すための仕組みに関わっているタンパク質が、10年ほど前に発見されました。熱に関する研究に大きな影響を与えたそれは、ミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)というものです。 少し専門的な説明をすると、UCPは細胞内のミトコンドリアの中に存在し、脂肪のエネルギーを