きのうの記事でも少し言及した「行動経済学」の入門書。中心はKahneman-Tverskyのプロスペクト理論やフレーミング理論だが、多くの実例でわかりやすく解説されている。この種の理論は、経済学者はバカにしていた(2人とも心理学者)が、2002年にKahnemanがスウェーデン銀行賞を受賞して、にわかに注目されるようになった。 経済学、とくに消費者行動の理論は、本来は心理学の領域である。「限界効用が逓減する」などという事実は実証されてもいないし、そもそも一意的な「効用関数」が存在するかどうかも疑問だ。Kahneman-Tverskyは実証データによって効用理論を否定し、「感情」によって消費者行動が決まる「価値関数」を導いた。ゲーム理論を使った「実験経済学」でも、ナッシュ均衡が実現することはほとんどない。 しかし今でも多くの経済学者は、この種の理論に懐疑的だ。それはこういう理論が正しくな
東大教官が選んだ新入生向けのブックリストとして、新書「東大教官が新入生すすめる本」と、紀伊國屋書店のサイト[参照]がある。全部で1600冊程と膨大なので、まとめた。まとめるだけでは面白くないので、100冊に絞ってランキングした。 ■東大教官の観点 以下の3つの観点から選書している。 1) 私の読書から――印象に残っている本 2) これだけは読んでおこう――研究者の立場から 3) 私がすすめる東京大学出版会の本 1) は、読書経験の貧富がハッキリ見える。めったな本を勧めるわけにはいかない。ほとんどが厳めしい古典、大御所を占める。ところが、ウケ狙いか、小松左京や村上龍、コミック「棒がいっぽん」などを推す教官がいて面白い。 2) の意味を拡大解釈する教官多し。何十巻もある「○○全集」を指定してくる人もいる。ゼミ生になったら生き字引代わりにでもしようとするつもりかしらん。オマエも全読してねぇだろ!
ジョン・R.サール『MiND――心の哲学』(山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社、2006/03)のサポート・ページです。 このページでは以下の関連文書をご覧いただけます。 作品情報 目次 イヴェント 書評集 正誤表 ご購入の案内 ご意見・ご感想 ――哲学的迷宮、その出口をさぐる。 哲学から心理学・生物学・脳科学に至るまで、 多くの人の心をとらえて離さない、 「心とはなにか」という最難問への 第一人者による魅惑的なイントロダクション ■発行:朝日出版社 ■発売:2006年03月14日(ホワイトデー) ■頁数:四六判 395+xvページ ■ISBN:4-255-00325-4 ■定価:1800円(本体)+税 ■分野:哲学思想 装幀=中島寛子、装画=ルネ・マグリット「世界大戦」(La Grande Guerre, 1964) 編集=赤井茂樹+河西恵里(朝日出版
科学革命が起こるとき クーンの「パラダイム論」 科学の現場から離れた「科学論」 「パラダイム(paradigm)」あるいは「パラダイム論」といえば、もちろんT・クーン著『科学革命の構造』(原著初版一九六二年、改訂版一九七○年、改訂版に基づく邦訳一九七一年)に展開されている科学と科学の歴史についての見方、科学論のことを意味する。実際、クーンは『科学革命の構造』の冒頭で、パラダイムを「一般に認められた科学的業績で、一時期の間、専門家に対して問い方や答え方のモデルを与えるもの」と定義し、この語を自らの科学論のキーワードとしたのである。 一九二二年に生まれたクーンは、アメリカの名門ハーバード大学で物理学を修めた後、科学史に転じた。カリフォルニア大学バークレー校で科学史を講じ、天文学史におけるコペルニクス革命の意義を論じた好著『コペルニクス革命--西洋思想の発展と惑星天文学』(原著一九五七年、邦訳一
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