絵本という空間はどのように構成されていくのか。動物たちが塔になり、クライマックスでの崩壊を経て、元の状態へと戻る均衡回復の物語は、積み木の重なりが崩壊するのと同じ知覚体験をもたらす。「空間構成のプロセス」の観点から、絵本特有のパターンを読み解き、絵本が読者にいかなる体験を生みだすのか、人間学をもとに考察する。 はじめに 一章 絵本はどのように作られているのか――空間構成のプロセスからとらえた絵本論 1 「行って帰る」という構造 2 物語から空間構成のプロセスへと視点を変える 3 積み木型絵本と入れ子型絵本 コラム 絵本と遊びとの関係 二章 動物たちが一列で行進する絵本――積み木型絵本とは何か 1 積み木型絵本の三つの型 2 〈行列型〉の絵本 3 〈積み込み型〉の絵本 4 〈積み木型〉の絵本 5 積み木型絵本のおもしろさ コラム 積み木型絵本における「数の絵本」 三章 動物たちがつぎつぎ呑み
![絵本のなかの動物はなぜ一列に歩いているのか 矢野 智司著 佐々木 美砂著](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a0bb939e08cb5f540a472e50df20f8e7686e5f20/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.keisoshobo.co.jp%2Ffiles%2F9784326852000%2F852000mc.jpg)