プレゼン本番!の巻 都内某所。一人の青年が青白い顔をして30人ばかりの人に向かって何かを説明していた。 ベック君:以上が弊社からのご提案内容となります。ご検討のほどよろしくお願いします。 発表中は頭が真っ白で、何を話したかほとんど覚えていなかった。早口すぎる出だしに、オオハシ課長が少し茶目っ気のある表情で押さえて押さえてとジェスチャーをしていた場面だけ妙に鮮明に思い出された。 手元を見ると、いざというときの為に用意しておいた、使いこんでボロボロになった2in1両面印刷のプレゼン資料があった。結局見ることはなかったが、なぜかこの資料を見ると「大丈夫」という気になれた。 まだ心臓のどきどきが鳴り止まないうちにプレゼンを聞いていたクライアントから質問が投げかけられる。 資料を作る際にそれなりの量の情報をインプットしていたこともあり、簡単な質問であればベック君でも答えることができた。しかし、技術的