第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹の同名の短編を原作に、妻を失った男の喪失と希望を描いた、濱口竜介監督による商業長編映画の第2作です。 俳優であり舞台演出家の家福悠介(西島秀俊)は、女優だった妻の音(霧島れいか)の突然の死から2年後、広島国際演劇祭より、さまざまな国の俳優がそれぞれの言葉で演じる多言語演劇での「ワーニャ伯父さん」(アントン・チェーホフ作)の演出依頼を受け、愛車サーブ900で広島へ向かう。アジア各国から集まった応募者の中に、家福は妻・音と親交のあった俳優・高槻(岡田将生)の名前を見つけた。演劇祭が雇った専属ドライバー渡利みさき(三浦透子)が運転するサーブで瀬戸内海に面したレジデンスと会場を往復するうちに、家福は自らが目を背けていた真実に向き合うことになる──。 映像ワークショップに参加した演技未経験の女性4人を主人公にした5時間17