自宅地下のシェルターに避難し、仕事を続けるユーリア・クリメンコさん(右)と8歳の息子=ウクライナ・キエフ(本人提供) 砲声と機関銃の音が鳴りやまないウクライナの首都キエフで、家族と暮らしを守るため、ロシア軍に静かな抵抗を続けている元留学生の女性がいる。「怖い」とおびえる小学生の息子をなだめながら火炎瓶をつくり、いずれ前線に動員される夫を支える。「平和で自由なウクライナを、絶対に守る」。停戦交渉の帰趨(きすう)が見えない中、女性はSNS(会員制交流サイト)を通じて取材に応じ、日本をはじめとする国際社会の連帯を強く訴えた。 【写真】ハリコフで攻撃を受け炎上するロシアの装甲車 キエフ郊外の街道に接する一軒家。そこがIT会社勤務、ユーリア・クリメンコさん(34)の自宅だ。夜間は戦闘が激しく、爆発音で4、5回は目が覚める。長男(8)が泣き出すことにも慣れてきた。ユーリアさんはゆっくりと語りかける。