「時代劇」はこのまま衰退するコンテンツとなるのか――。 1990年代後半以降、民放テレビ地上波で制作される新作時代劇は減少の一途をたどり、2011年の「水戸黄門」終了により、民放における時代劇のレギュラー枠が消滅。特番や大河ドラマなどを放送しているNHKを除けば、レギュラー番組として民放で時代劇を観られる機会は激減した。 そもそも時代劇は戦前の映画界の中心的役割を果たし、戦後もGHQによる規制が一時あっても根強い人気を誇っていた。その後、テレビが家庭に普及し、映画業界が斜陽化しはじめた1960年代以降は、映画界で時代劇を制作していたスタッフの多くがテレビに活躍の場を移す。テレビ向けの時代劇が数多く作られるようになったのは、その頃からだ。 いつしか時代劇は「シニアのためのもの」に テレビという安定した供給ルートを確保した時代劇の製作陣は、大量生産時代に対応するべく、勧善懲悪をベースとした物語