経営管理の仕事をしていると、組織や人のマネジメントに長けているマネージャーとそうでないマネージャーがいることに気づく。そして、マネジメントが得意なマネージャーは必ず何かしらの「方法論」を持っている。僕もマネジメントの経験を積むにつれて、そういった「成功モデル」をいくつか持っている。これらの方法論の理論的背景を勉強したいなと思っていたのだが、この本はまさにその要望にぴったりで、非常に勉強になる。 明確で困難な目標を設定することの重要性紹介したい理論はたくさんあるのだけれど、この記事ではまず「目標達成理論」に触れたい。 現実の多くの仕事は達成が困難で報酬も不十分である。期待理論では動機付けの低いこのような仕事でも、なぜ人は努力するのか、これを説明し予測するのが目標設定理論(goal-setting-theory)(Locke & Latham, 1990a)である。目標設定理論では、明確で困難