悲劇と喜劇は実は同じものだよ、ということでしょうか。 たとえば、路上ですごく真面目そうなオジサンが派手に転んだとします。 それを見ていた僕は、おそらく笑ってしまうでしょう。なぜなら、僕はオジサンの転倒を俯瞰しているから(ロングショットで観ているから)です。 一方、当事者のオジサン目線に立つと(クローズアップ)、これは悲劇以外の何物でもありません。 でも、両者はひとつの同じ出来事です。 さらに言えば、物事は切り取り方ひとつで悲劇にも喜劇にもなる、ということにもなりますね。 ちなみに、転倒したオジサンがそのまま動かなくなった場合、僕は笑うのをやめ、彼に駆け寄ると思います。それは、僕が「オジサンの死」を連想したことで、僕の視点がロングショットからクローズアップに変わるからです。そうなると、この出来事は僕にとっても悲劇になります。 しかし、「オジサンの死」を連想できない人にとっては喜劇のままです。