近年、「読書離れ」「活字離れ」という言葉をよく耳にする。こうした中で、子どもたちはどのような形で本に触れ、毎日の生活の中に読書がどの程度浸透しているのだろうか。 毎日新聞社では毎年、社団法人全国学校図書館協議会の協力を得て、全国の小中高生を対象に「学校読書調査」を実施しており、秋の読書週間(10月27日から11月9日)にあわせて調査結果を発表している。今回のデータフラッシュは、今年55回目となる学校読書調査の調査結果を紹介する。 本調査では、1ヶ月の間に1冊も本を読まなかった割合(以下、不読率)という指標で、本が子どもたちの間にどの程度浸透しているかを毎年調べている。今年の不読率を見ると、小学校が上昇し、中学・高校では昨年度を下回った(図1)。不読率の低下は、そのまま読書の広がりと考えることが出来、単年での上下のみならず、大きな流れの中で現在の読書状況を把握することも出来る。10年前に4