たとえばこんなイメージか。ターミナル駅前の一等地にある食堂。店の雰囲気、出される料理の味、サービスの質、どれも他店並み。家賃の高さを反映して代金は高め。絶賛されるメニューは特にない。メリットは場所だけ。一度は食べに行っても二度は立ち寄らない。客の意識がこんな状態だと客足は伸びず、遅かれ早かれ閉店――。食べ物店は立地条件が重要とはいえ、この失敗は誰もが当たり前だと感じるはずだ。しかしWebサイトの話となると違ってくる。良い場所=検索エンジンでの上位表示さえ確保すればアクセスが多数あり、購買、資料請求、会員登録につながってリピーターも次々、と思い込みがち。今のSEO(検索エンジン最適化)を取り巻く現状は、この食堂のケースそのものだといえる。 著者はまず「あたかも短期間で手軽に検索結果の上位表示を達成できるかのような謳い文句を喧伝(けんでん)し、検索順位を故意に変動させようとするスパム行為にも平