紀元前3世紀頃から用いられてきたブラーフミー文字は地方によってさまざまな文字に分化した。まず南部と北部で分かれ、北部からはグプタ文字が生まれた。グプタ文字からシッダマートリカー文字(いわゆる梵字)が発展した。ナーガリー文字はシッダマートリカー文字の文字の上部の横線が伸び、全体に角張った形に変形したものである。 ナーガリー[2]はナガラ[3](都市)の文字という意味である。それがのちに神聖化されデーヴァ[4](神)を加え、デーヴァナーガリー(神聖なる都市文字)と呼ばれるようになった。 ナーガリー文字の出現時期を7世紀あるいは8世紀とする説もあるが[5]、年代が確実にわかるものは9世紀後半のものがもっとも古い[6]。11世紀になると字体がほぼ現在のものと同じになり、シッダマートリカー文字にとってかわった。ほかの文字が地方ごと・言語ごとに異なっていたのに対し、デーヴァナーガリーはサンスクリットを
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