日本人の貯金好きは、否定的な文脈のなかで語られることが多い。 なんの目的もなく、ぼんやりとした「いざというとき」のため、日本人は貯金をする。そして「いざというとき」は訪れぬまま、その財産は子どもたちに相続される。90代の親が残した財産を、70代の子どもが相続する。70代の子どもはそれを消費に回さず、やはり「いざというとき」のために貯蓄し、やがて90代を迎え、70代の子どもたちに引き渡す。 何度も聞かされたし、ぼく自身何度も口にしてきた貯金にまつわる「いざってなんだよ問題」である。 けれど、こと仕事に関していうと、ぼくも「いざというとき」のため、貯金に勤しんでいる感覚がある。 先週末から NewsPicks で、糸井重里さんの「イノベーターズ・ライフ」という連載がはじまった。幼少時代から現在までを語る、日経新聞「私の履歴書」のようなコーナーだ。ぼくは構成役として、インタビューと執筆を担当させ

