今年9月、東大文学部に大江健三郎文庫が発足した。文庫は大江氏の自筆原稿約1万8千枚と、個人の研究者によるコレクションなど約3900点、そして書籍の帯文・推薦文なども網羅(もうら)した書誌情報データベースからなる。原稿とコレクションは予約すれば学外の学生・研究者も閲覧でき、データベースはインターネット上で一般公開される。 著作権が残る作家が自筆原稿を大量に研究機関に寄託し、一般公開することは世界でも極めて稀(まれ)。これまでも原稿が東大に寄託されたことはあったが、既に著作権が切れた作家の原稿が2000枚程度集められたのみだった。また、文学館に寄贈されたり、オークションによって散逸したり、そもそも作家が全て処分してしまうこともあり、寄託の決定は大江氏の文学研究への深い理解と東大への信頼を示すものでもある。発足に先立つ記者会見では、学術研究の推進だけでなく、原稿の保存と公開のモデルケースとなるこ
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