自殺について 他四篇 (岩波文庫) ショウペンハウアー著、斎藤信治訳の 『自殺について 他四篇』 を読んだ。 ショウペンハウアーの著作を読むのはこれが初めてで、ショウペンハウアーの主著の内容を前提としている本書を読み進めるのはやや困難であった。 本書は 5 篇から成っており、それぞれ内容としては、次のようなことが述べられていたように思う。 我々の真実の本質は死によって破壊せられえないものであるという教説によせて : 現存在であるところの我々の肉体や意識といったものは本質的なる生きんとする意志の表象でしかなく、個体の死は破滅ではなく、知性の喪失によって非認識的な状態に遷移するに過ぎないということ。 現存在の虚無性に関する教説によせる補遺 : 現存在は現象として時間の流れの中に存在し、あらゆるものは次の瞬間には無に帰するため、現在というものだけが実在的なものであり、その現在を享楽すること、そし
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