世界で電気自動車需要が高まる中、電池に使われるレアメタルの価格が上昇している。EUではリサイクル材料の使用が義務付けられると見られ、都市鉱山が注目を集める。 「新規鉱山と同じくらいのインパクトがある」――。リサイクルで金属資源を得る都市鉱山に再び挑む動きが相次いでいる。国内の非鉄金属・材料関連の企業が実用化や量産に向けた開発に名乗りを挙げた。 ターゲットは、電気自動車(EV)向けの車載蓄電池だ。現在、車載蓄電池の主流であるリチウムイオン電池(LIB)には、正極材や電解質としてニッケル、コバルト、マンガン、リチウムなどが含まれる。経済産業省はこれらの金属を工業需要に向けて安定供給の確保が重要な「レアメタル(希少金属)」とする。これまで、各社でレアメタルの使用量を抑える取り組みが進められてきた。 価格高騰、「儲かる事業」に 2000年代半ばごろ、資源国の輸出規制をきっかけに注目された都市鉱山。