理化学研究所の小林峰特別嘱託研究員(研究当時)と日本原子力研究開発機構などの国際共同研究グループは、充電中の全固体電池内のリチウムイオンの動きを捉えることに成功した。動きの解析から、固体電解質中のリチウムイオンの移動メカニズムおよび移動領域を解明した。熱中性子ビームを入射し、それにより起こる核反応を利用してリチウムイオンの深さ分布を得る。従来手法を最適化し、時間分解能1分、厚み30マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の試料まで分析可能にした。充放電時間の短縮など、全固体電池の開発加速につながる。 【写真】日特陶が開発した容量10ワット時の「全固体電池」 正極にリチウム―6濃度を95・4%に濃縮したコバルト酸リチウム、固体電解質にリン酸リチウム、負極にはタンタルを用い、薄膜全固体電池を作製。 これに軽元素分析法の一種である中性子深さプロファイリング手法を応用し、入射エネルギー0・02
2022年10月25日 理化学研究所 日本原子力研究開発機構 全固体電池内のリチウムイオンの動きを捉えることに成功 -全固体電池の研究開発を加速- 理化学研究所(理研)光量子工学研究センター光量子制御技術開発チームの小林峰特別嘱託研究員(研究当時)、日本原子力研究開発機構物質科学研究センター中性子材料解析研究ディビジョンの大澤崇人研究主幹らの国際共同研究グループは、動作(充電)中の全固体電池[1]内のリチウムイオンの動きを捉えることに成功しました。 本研究成果は、次世代リチウムイオン電池[2]として期待される全固体電池の研究開発を加速するものと期待されます。 今回、国際共同研究グループは、リチウム-6(6Li)濃度を濃縮した[3]正極を用いて全固体電池試料を作製し、その試料に熱中性子を入射し、6Li(n,α)3H熱中性子誘起核反応[4]によって放出される粒子のエネルギーを時間分解して分析す
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