勢いを増す電気自動車(EV)シフトに合わせて、使用済みになったり製造工程で廃棄されたりするリチウムイオン2次電池(LIB)を再生する動きが急だ。 EVなどに使われるLIBは、充放電を繰り返すと劣化。EVの航続距離が短くなる。そのため使用開始後10年程度で使用済みとなるケースが多い。EVの普及に伴う将来の使用済みLIBの増加に備え、それをそのまま定置型蓄電池として再利用する「リユース」や、使用済みLIBからリチウム(Li)やニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの希少金属(レアメタル)を回収して再度LIBの材料として活用する「リサイクル」に取り組む企業が増えている。 EVシフトでレアメタル不足 使用済みLIB再生の動きが活発になってきた背景を整理しておこう(図1)。 使用済みLIB再生を促すのは、何よりもまず勢いを増すEVシフトだ。カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の動きを受け