彼女がいなくなるだけで世界がこんなにどうでもよくなってしまうなんて思ってもなかった。そもそも彼女が戻ってこないなんて、一度も信じたことはなかったし、いつかまた会えるのが当たり前だと思っていたというか、思ってもなかった。それはあまりにも当たり前のことすぎて、思うとか思わないとかそれ以前の話だった。だけどもう彼女は帰って来ないらしい。世界から加護ちゃんが消えた。 いつも悲しいことがあるたびに日記を書くものだからついつい日記は悲しくなってしまって、これからは楽しいことのあった日にも日記を書こうと思うのだけれど、しかしこんなに悲しいことはそうそうないようにも思う。加護ちゃんのいなくなった世界は加護ちゃんのいた世界と何も変わっていないけど、ただ確実に全然違っていて、それは誰かに説明できることじゃないし本当はそんなことないのかもしれない。何も変わってないのかもしれない。でも二つの世界はまったくの別物で