25日に公表された「安全フォローアップ会議」の報告書は、JR福知山線脱線事故の真相究明と安全文化の構築を願う遺族らの思いそのものだ。JR西日本では、事故後に入社した社員がすでに全体の3分の1を超え、当時を知る人が年々減っている。JR西は「教訓」を次世代の社員にどう伝えていくべきなのか。報告書は新たな課題を突きつけている。 「社員も3分の1程度が入れ替わっている。改めて事故を起こさないような取り組みを続け、安全な鉄道になるよう働きかけたい」 25日の追悼慰霊式で献花を終えたJR西の真鍋精志社長は、表情を引き締めてこう述べた。 報告書は「入社時からの安全に対する人材育成計画と社員の実践力育成に取り組むこと」を提言した。 JR西は平成19年4月、全社員の安全教育に取り組む研修施設を開設している。事故の資料などを展示する「鉄道安全考動館」(大阪府吹田市)だ。鉄道の安全を深く「考」え、「動」いてほし