天皇陛下は、国際親善のため皇后さまと訪れたフィリピンで、27日夜、歓迎の晩さん会に出席し、おことばを述べられました。この中で天皇陛下は、先の大戦では、日米両国の戦闘により、多くのフィリピン人が命を失い、傷ついたとしたうえで、「このことは、私ども日本人が決して忘れてはならないことであり、この度の訪問においても、私どもはこのことを深く心に置き、旅の日々を過ごすつもりでいます」と話されました。 貴国と我が国との国交正常化60周年に当たり、大統領閣下の御招待によりここフィリピンの地を再び踏みますことは、皇后と私にとり、深い喜びと感慨を覚えるものであります。今夕は私どものために晩餐会を催され、大統領閣下から丁重な歓迎の言葉をいただき、心より感謝いたします。 私どもが初めて貴国を訪問いたしましたのは、1958年12月、ガルシア大統領御夫妻が国賓として我が国を御訪問になったことに対する、昭和天皇の名代と