大関・琴奨菊が2016年初場所で初優勝。メディアは「10年ぶりの日本出身力士の優勝」と絶賛、「次は若乃花以来18年ぶりの日本人横綱誕生か」とお祭り騒ぎをした。確かに次は、琴奨菊にとって綱取りがかかった大事な場所である。しかし現実は甘くなさそうだ。 初場所千秋楽、NHKで大相撲中継の解説をしていた元横綱・北の富士氏は、 「失礼だけどこれまでまったく優勝候補に挙げられなかった。(来場所の綱取りは)これまでの成績も加味されると思うが、全勝か14勝での連覇なら、(横綱に推挙する)声も出るだろう」 と、厳しい昇進条件を口にし、伊勢ヶ濱審判部長(元横綱・旭富士)も場所後、 「これまで安定した成績がないが、(来場所も)レベルの高い優勝なら、そういう声も自然に出てくる」 と、通常の「優勝か優勝に準じる成績」では昇進させないことを示唆。初場所で3横綱をすべて退けた大関に対する評価としては異例の厳しい見方を示