●違憲審査権はどこまで通用するか多少気の早い話ですが、憲法審査会で憲法学者の参考人が全員「違憲だ」とした現在国会で審議中の安保法制案が可決成立した場合、改めて憲法に違反するかどうかを判断する方法はあるのかを考えてみます。 日本は三権分立を取り入れており、その一角である司法府には違憲審査権があります。法律(立法府)や内閣(行政府)が決定したルールなどが憲法に違反していないかどうか判断する権限です。すべての裁判所に認められており、最終的な決定権(終審裁判所)は最高裁判所です。 安保法制案は安倍内閣が集団的自衛権の限定容認を打ち出した閣議決定に基づいています。政府(行政府)の決定である閣議決定に沿って内閣が法律案を作って国会に提出しました。可決成立すれば立法府も認めたことになります。 違憲審査権は立法行為だけではなく内閣の決定にも判断を出し得ます。問題は、裁判所は訴えがなければ裁きようがないとい