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ストーリーと賃貸に関するbukkenfanのブックマーク (9)

  • クリーム色の一軒家に、今日も彼女の歌声が満ちる。(東京都目黒区67㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    甘くてとろけるケーキのようだと、 この家に帰ってくるたびに思う。 ふんわりしたクリーム色が たっぷりと塗られた外観は、 夜を照らす灯りのように わたしをいつも導いてくれる。 ケーキの中には果物があり、 この家の中には彼女がいる。 どちらもみずみずしく 生命力に満ち溢れたそれらは、 関わる人の心にポッと 生きる活力をくれるのだ。 玄関を開けると、だいたい 上から彼女の歌う声がする。 歌声に誘導されるように、 シューズボックスに を入れたらすぐに 階段をトントンと上がる。 2階建ての2LDK。 彼女と暮らし始めて、 あっという間に1年が経つ。 楽器相談ができるこの家を、 見つけてきたのは彼女だった。 この家で一緒に暮らさないかと、 言ってくれたのも彼女だった。 彼女が与えてくれるものを いつも受け取るばかりで、 わたしはなんて幸福で 甘ったれなのだろうと思う。 こうしている今だって、 10.

  • 豆苗が育つキッチンで、今日はなにを作ってくれるの。(福岡市城南区48㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    トントントン、と包丁の音。 やさしい緑のタイルが主役の キッチンでは、今日も今日とて リズミカルな音が響いている。 僕より帰宅が早い彼のほうが いつのまにか料理担当になったから、 自然と掃除は僕の担当になった。 料理の音がしているあいだに、 ゴシゴシとトイレやお風呂を磨いている。 プロパンガス用の2くちコンロは、 だいたいどちらも使われている。 片方で汁物、片方でメイン料理が 作られていることが多い気がする。 光が差し込むキッチンでは、 豆苗やにんじんの切れ端が すくすくと元気に成長中。 玄関側の出窓でも、 なにかしらの野菜が育っていたり 野菜の皮が干してあったりする。 一緒に暮らし始めたころは 丁寧な生活だなぁと思ったけど、 どうやらそういうわけでもなさそう。 どうやら彼はただつつましく、 お得に暮らしたいだけのようだ。 「お買い得」という言葉に弱い。 たまにいろいろ買いたくなって、 ど

  • 新築のテラスハウスで、一緒に住むまであと少し。(東京都杉並区59㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    2024年2月に完成予定。 新築のテラスハウスで、 どんな暮らしが始まるだろう。 3階建てのテラスハウス。 「1階と2階、募集してたよ。 メゾネットなんだって」。 彼女の言葉に私から返した、 「一緒に住めたら楽しいだろうね」。 そして聞こえた、彼女からの 「じゃあ、一緒に住もうよ」。 一歩を踏み出してくれるのは いつだって彼女のほうで、 与えてもらってばかりでごめんね。 やったぁ、一緒に住めるのって、 全身でうれしさを表現できたらな。 完成間近の建物を見に行ったときも、 間取り図を眺めながらふたりで 「部屋はひとつずつ使えるね」 「LDKが14帖以上、広くていいね」 といろいろ話していたときも、 当は夢みたいにしあわせだった。 シューズボックスがあるから、 少しくらいが増えても大丈夫。 ふたり分のがごちゃごちゃと あふれることはなさそうだよ。 「ただいま」のあとは、 2階のリビングに

  • 光が抜ける3階建てで、ふたりだけのルームシェア。(京都市中京区15㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    「一緒に暮らそう」は言えない私も、 「ルームシェアしない?」は言えた。 家賃も手頃だし、女性限定だし。 あれこれ伝えた理由の中に、 そっと含めた「住めるのはふたりだけ」。 3階建てのシェアハウスは、 女性限定、定員は2名。 お互い照れ屋で、言葉足らずで。 それでもこのシェアハウスの中に 私と彼女の暮らしがあることを、 きっとお互いに期待していた。 彼女が「いいよ」と頷いたときは、 思わず心の中でガッツポーズ。 3階に並ぶ2つの個室は、 どっちがどちらを使おう? 「バルコニーがあるほうは 譲ってくれる?」の彼女の言葉に、 どうぞどうぞと思いながらも 「仕方ないなぁ」と返事した。 バルコニーなんて、どうぞだよ。 一緒に暮らしてくれるなら、 ふたりで過ごしてくれるなら。 玄関の扉には、視線を遮りつつ 光は通す美しいステンドグラス。 やさしい光を背中に受けながら、 リビングにいる彼女に 「ただいま

  • 300㎡のドックランで、ひとりといっぴき。(熊本市中央区71㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    約300㎡のドックランスペースで、 あの子は今日も走り回る。 最初は勝手に遊び始めるのに、 すぐに私のところにやってきて 「なにしてるの、あそぼうよ」と 尻尾をフリフリ誘ってくるのだ。 1/3がウッドデッキのドックランは、 あの子の足にもきっとやさしい。 青い空、気持ちのいい風。 あの子の楽しそうな姿につられて、 思わず私も頬がほころぶ。 「楽しいねぇ、よかったねぇ」 ペットOKのこの部屋には、 つい最近越してきたばかり。 まさか犬と一緒に暮らすなんて、 昔の私は想像もしていなかった。 すべてがどうでもよくなって、 なんだかとっても疲れてしまって。 そんなときにあの子に出会った。 私の心にあるドロドロなんて ちっとも気にしない表情で、 「ねぇ、ぼくとあそんでよ」と。 あの子の瞳がそう言ったのだ。 ひとり暮らしでは広すぎるかも、 だけど我が家はひとりじゃない。 あれよあれよと気づいたら あの

  • 小さな団地、穏やかなふたり。(兵庫県明石市 57㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    昔から団地が好き。 特に夕暮れ時。 ポツポツと灯る明かりを眺めながら それぞれの家庭で繰り広げられる風景や 笑い声を想像して。 あのオレンジの灯りの家の 今夜の献立は何だろな、なんて考える。 泣いたり怒ったりもあるだろうけど、 勝手に温かい家族の風景を思い浮かべる。 ふっと流れてきた焼き魚のにおい、 美味しそうな煮物のにおい、 カレーのにおい。 何故だか泣きたくなるような 気持ちを抱えて家路を急ぐ。 玄関ドアを開くと、 私たちの可愛い部屋が待っている。 まんまるお月さまみたいな電気が ポッと、いつも心を和ませてくれる。 「おかえり」という夫の声と共に流れてきた 味噌汁のにおい。 先に帰って来た方が 夕飯支度を始めるのが我が家のルール。 「半額だったから買って来ちゃった」 と、帰りに買ったポテトサラダを出す。 「いいね!唐揚げのつけ合わせにちょうどいい」 部屋着に着替えて、 並んで盛り付けを

  • 神楽坂のメゾネットで、ゆらり水槽で泳ぐように。(東京都新宿区31㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    東京都、新宿区。 神楽坂のメゾネットは それはそれは彼女によく似合う。 一緒に暮らしているのに、 彼女の生活のなかに お邪魔している気分になる。 旗竿地に建つ建物は、 手前にオーナーさんのお宅。 正面からは見えない秘密の場所に 3戸の部屋が隠されている。 そのひとつに、彼女が暮らす。 彼女はほとんど2階で過ごす。 事のときだけとんとんと 気だるげに階段を降りてきて、 事を終えたらまたすぐ上に。 「ごちそうさま」とつぶやいて 階段を上がっていく彼女を見て、 自由だなぁ、独特だなぁと思う。 2階の6.5帖の洋室には、 シンプルなマットレスと 小さなチェストだけを置いている。 ふたり分の服はすべて たっぷりのオープン収納に。 どちらも物が少ないから、 まだまだスペースに余裕がある。 マットレスにいないときは、 彼女はだいたいバスルームにいる。 ガラス貼りの浴室は あわい光で包まれていて、 そ

  • 光とそよ風が遊ぶこの部屋で、どうか安心して眠って。(千葉県千葉市34㎡の賃貸物件) - 物件ファン

    おはよう、今日は ぽかぽかの晴れですよ。 あの子は今日も眠そうな顔。 大きな窓をカラリと開けて、 空を見ながらあくびをしてる。 あの子がここに住み始めて、 あっという間に数か月。 はい、どうも、こんにちは。 あの子を守るための家です。 あの子の幸せを願う家です。 和室と洋室、どちらもあるタイプで やらせてもらっておりますよ。 あの子はいつも和室で眠る。 4.5帖に布団を敷いて、 体を丸めてのように眠る。 ここはペットもいいのだけどね、 今はあの子のひとりだけ。 起きたら家中の窓を開けて、 ふわりと風を感じている。 春でも夏でも秋でも、 それこそ冬でも窓を開ける。 気温の確認でしょうかね、 それとも風が好きなのかしら。 布団は和室の押し入れに、 毎日しっかり畳んでしまう。 自分でできてえらいねと、 一度くらい褒めてあげたい。 洋室側の物入れには、 服やバッグがきちんと並ぶ。 あの子がいいな

  • ゆれるしっぽと暮らす日々 - 物件ファン

    今日は待ちに待った土曜日。 しかも快晴ときたら 居ても立っても居られない。 アラームをかけずに寝ているご主人の鼻を ベロンと舐めて「起きて」の合図。 「あぁ、おはよう」 ぼさぼさの髪をグシャっとしながら メガネをかける。 1階にある寝室は ウッドデッキにつながっているから たっぷり朝日が入る。 それに窓から見える緑も最高だ。 「ワン!」 しっぽをぶんぶん振って 2階のリビングへ。 吹き抜けの高い天井。 上には何やらご主人の秘密基地の 「ロフト」っていう場所があるらしい。 「はいはい、朝ごはんにしようね」 僕のしっぽを追って のっそりとご主人が来る。 リビングのまわりは ぐるりとウッドデッキが囲んでいて 360度外とつながる感覚。 ご主人が窓を開けてくれたから 飛び出してくるくると回ってみる。 「今日はいい天気だなぁ」 コーヒーをコポコポ淹れながら 外を眺める後ろ姿。 僕は甘えるように 足に

    ゆれるしっぽと暮らす日々 - 物件ファン
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