彼女はなんでも作ってしまう。 料理はもちろん アクセサリーにワンピース 机に本棚。 小さな体のどこに そんなパワーが秘められているんだろう。 「ほんとに、ここ?」 ドンと佇む団地に 彼女は疑いの眼差し。 「懐かしい感じがするでしょ」 「うん、まぁ…」 キョロキョロと周りを見渡しながら 階段を上っていく。 実は彼女を驚かせたくて 見せていたのは間取り図だけ。 「和室の方が広いの?今時珍しいねぇ…」 と首を傾げていた。 玄関に入って 目に飛び込んできたのは オープンタイプのシューズラック。 「わ、いいね、これ」 怪訝な顔だった彼女が 途端にご機嫌になる。 きっと自分のアウトドアシューズを 並べるのを想像したんだろう。 「ふふ、キッチンかわいい」 レトロなグリーンに塗装されたキッチン お気に召した模様。 「このお部屋、賃貸だけどDIYできるんだよ」 「ほんとに!!」 キラッと目が輝いた。 「じゃ