ここはマンハッタンの、 由緒ある邸宅の一室。 豪奢なドレスを身にまとい、 館の主人たるワタシは今、 ダウンライトを浴びながら、 レッドカーペットの階段を 華麗に降りてくる… はっ! つい妄想の世界に入ってしまった。 舞台袖のように優雅な巻きのカーテンや、 絶妙なライティングに魅せられて。 いや、 そうじゃない。 ワタシはもうすでに、 この部屋へ辿り着くまでの間に、 マンハッタン・ファンタジーの魔法に かかってたんだ。 そもそもの始まりは、ここから。 豪奢な館の入り口を思わせるエントランス。 「MANHATTAN FANRASY」という、 マンションの名前が刻まれた扉を抜けると、 心地よいジャズのBGMとともに、 立ちくらむほど 濃密な異国の気配がお出迎え。 オートロックとは思えない、 なんともレトロな趣深い扉を通って、 深い緑の壁にいざなわれて、 ヘプバーンの視線にドキドキしながら、 赤い