ふたりでぎゅうぎゅうに 肩を寄せ合い暮らしていた 高円寺の小さなアパートから、 ぐっと広い新居に 引っ越してきた僕ら。 じりじり暑い夏の日に、 自分たちで荷物を運んで。 ふたりとも汗だくで、 どうして涼しくなってからに しなかったんだと ドロドロの顔で笑いあった。 高円寺のディープな雰囲気に、 芯まで惚れ込んでいる僕ら。 もちろん新居も高円寺。 団地をリノベしたこの家は、 どこか懐かしい雰囲気がある。 新しすぎず、古すぎず。 絶妙なバランスが高円寺と しっくりきていて好きだ。 ファッションにこだわりのある ふたりが一緒に暮らしているせいで、 服や靴やバッグは溢れるほど。 そんじょそこらのクローゼットじゃ おさまりきらないと 頭を悩ませていたときに、 君がこの家を見つけてくれた。 「ダイニングのこの収納、 すごくない?広くない?」 「うちらどっちも 服持ちすぎ、靴持ちすぎ。 でも絶対捨てたく