起きたらまずは、 カーテンを開けて海を見る。 いい天気、いい天気。 ニンマリと口角を上げて、 ぐーすか寝ているあいつに 壁越しに声をかける。 「なぁ!絶好の釣り日和!」 お互いに仕事が自宅作業になり、 「もうどこでも住めるよなー」と 呟いた俺の言葉がきっかけ。 「ふたりで割ってひとり5万、 休日は一緒に釣りしよーぜ!」と、 まるで学生のころみたいに 目をキラキラさせてあいつが 誘ってきた日から、もう半年。 「一緒に住んでやるから 部屋は俺に選ばせろな」と、 使い慣れていた洋室をゲットした。 あいつの勢いに押されて OKした感じはあったけど、 ここでの暮らしもなかなかいい。 なんたってバルコニーに出れば… あ~気持ちいい、最高だ。 寝起きのぼーっとした頭も、 海を見ているとだんだんと ワクワクして冴えてくる。 今日はなにが釣れるだろう、 でっかいのがこないかなー。 そう思いながら、ほんじゃ