「どこにひかれたの?」と もし誰かに聞かれたら、 たぶんこう答えると思う。 「住人みたいな顔してる、 柱がいいと思ったの」って。 外観もなかなかすてき。 年月を経た木の風合いを、 あえて残してくれている。 レトロなポストもすきなとこ。 どこかゆるい雰囲気が、 建物全体をふわふわと 包み込んでいる気がする。 階段をカンカンと上がり、 向かう先は「202」。 とっぷりと日が沈むと、 マリンランプが202の文字を ぽやりと照らしてくれる。 部屋の間取り図にも ちゃっかり登場している、 一本の柱が私の同居人。 同居人じゃないか、同居柱? とにかく一緒に暮らしてる。 「ただいまぁ」と、 小さな声でいつもつぶやく。 部屋に対してというより、 これはたぶん柱に向けて。 たっぷり広い 玄関土間のおかげで、 靴を脱ぎ散らかしても 気にならないから助かる。 気が向いたときだけ、 床に転がっている靴たちを せっ
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