傾斜する敷地の斜面に挿入された 幾何学的なコンクリートフレーム。 周囲を拒絶するかのような 厳格なコンクリート壁だけでなく フレームを採用したことで、 街に開いた印象を与える家。 のちに建てられる六甲の集合住宅などを 彷彿とする、安藤忠雄の初期住宅です。 場所は大阪・北畠の閑静な住宅街。 徒歩数分の距離には 同じく安藤氏が手がけた「住吉の長屋」や 「手塚山タワープラザ」などがあり、 安藤建築ファンにとっては聖地として 知られているのだとか。 こちら、1977年竣工の「帝塚山の家」は 1階が2つのブロックに分離されていて、 北側には玄関、LDK、水回り、 長い廊下でつながる南側には主寝室。 2階には子ども部屋と客室を配した ゆとりある邸宅です。 それでは名建築ツアー気分で 順番に見てまいりましょう。 コンクリートフレームの間から 光がたっぷり注ぐエントランスを抜け、 建具のガラスを透過する光