幸せの日々は、唐突に終わる。 その始まりは、自身の過失から生まれたものだった。 ある一つの特殊な才能があった。 かなり特出したモノだったが、本人は大して価値を見出していなかった。 ある結果を重視していたから、その才能は結果を導くための一助でしかなかった。 その事件がどんなものだったかは覚えていない。 ただ、その後に来る戦いに比べれば些細であることだけは間違いない。 その技能を使用して事件を収めたが、結果として才能のことを知られてしまう。 その日から、自分を封印しようとする輩、あるいは利用しようとする輩と戦うことになってしまった。 故に、争いを望んだことは一度としてなく、その戦いは常に自衛のためのもの。 勝てば新手が現れ、逃げれば延々と追われる。 進むことも退くことも出来ない、しかし諦めるわけにはいかなかった。 そんな状況でも自分についてきて、背中を守ってくれる人がいたから。 何時かは終わる