現時点におけるIPv6がIPv4よりも明らかに劣る部分があります。ドキュメンテーションなどで利用するための例示用IPv6アドレスが「2001:db8::/32」しか存在しない点です。 2001:db8::/32の空間は膨大ですが、全ての例で前半が同じになってしまうので、恐ろしくわかりにくいです。一方で、IPv4の例示用IPアドレスは、TEST-NET-1から3までの3種類が存在します。例示アドレスを正しく使って文章を書くとき、IPv4の方がIPv6よりも明らかに例示が分かり易くなるのです。 ただでさえ、IPv6はIPv4よりも複雑で理解しにくいプロトコルなのに、例示アドレスが見分けにくいので技術文書が余計にわかりにくくなってしまいがちです。 IPv4とIPv6の例示アドレスの違い さて、どういうことか見てみましょう。たとえば、IPv4でのルーティングを解説するときに次のような図を描いたとし